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橘倉酒造 営業統括

井出 平

Tyler Ide

四番サード、Tyler

  
井出 平

Taira ではなくTyler。アメリカに留学していた頃に、ローマ字表記が「テイラ」と読まれてしまうため、「タイラ」に近いTylerを使うようにしたのだという。次男だから、自分の力で未来を切り拓くよう広い世界を見て来いと、大学卒業後に2年間アメリカに留学させてもらった。アメリカは人も大地も何もかもが大きくて刺激的だったけれど、食べ物だけは和食のありがたみが身にしみたという。帰国してから、友だちに誘われシステム開発に携わる。道路公団や財務省などのプロジェクトに関わり、その後SE(システムエンジニア)の人材派遣会社を起こした。仕事はいくらでもあったし、大変さも面白さも手応えも存分に味わっていた。そのさなかに、現社長から「戻って来てくれないか」と打診された。ソフトやシステムという形にならないものを作る中で、酒蔵で商品を生みだすことや、日本文化の一翼を担う仕事に魅力を感じていたこともあり、帰ることにしたのだという。1990年代以降、日本酒の厳しい市場環境にどう活路を見出すのか、蔵としても試行錯誤をしてきた。今、大きく注目を集めている甘酒もそのうちのひとつで、もう20年近く前に開発され、ずっと右肩上がりに伸びてきた。

 
井出 平

そして、2016年には井出の取り組みが大きく実を結んだ。国土交通省関連の一般社団法人が中部北陸地域のインバウンド事業を盛り上げるために行う「昇龍道プロジェクト」にエントリーし、伊勢志摩サミットの際、中部国際空港で各国の政府関係者やメディアに配られるお土産に、橘倉の「無尽蔵」が選ばれたのだ。地元の飲食店とコラボレーションした「健康長寿の里・長野佐久のおもてなしお酒セット」も、HPで取り上げられた。「これから橘倉として注力していくものを認めていただけたことは、大きな励みになりました」と井出。また、軽井沢での交通省会合の乾杯のお酒に「SAKU13」が選ばれた。ほかにも、佐久の洋菓子店に製造委託した「日本酒マカロン」がNIKKEIプラス1で日本酒スイーツの3位に取り上げられるなど、快進撃が続く。今後も、JR東日本のデスティネーションキャンペーンの酒蔵見学を担当するなど、新しい取り組みにも意欲的だ。「300年続いた蔵の歴史だけは、お金で買えないもの。これを大切に受け継いでいかなければ」と気を引き締める。高校時代、野球部で4番を打っていただけに、ここ一番にはきっと強い。「どんなことも一生懸命、そして楽しんでやりたいと思うんですが、周りからは早く身を固めろとそればかり言われています」と苦笑いしている。

橘倉酒造株式会社

384-0301 長野県佐久市臼田653-2
TEL 0267-82-2006
FAX 0267-82-2413
http://www.kitsukura.co.jp/

創業江戸元禄初期より300有余年。先人の志と技を継承し酒造りの伝統を育む蔵元。佐久の大地に根差した酒造りを目指しながらも時代の要求に的確に応え、そば焼酎やあま酒、スパークリング日本酒、料理酒、粕漬けなどにもこだわりを発揮。酒は自然の賜、醸造という生業を通じて、人々に貢献することを重んじる。

  • 純米吟醸 無尽蔵

    「季節の旬なお酒を1年通してお客様にお届したい。」そんな思いからスタートした無尽蔵。季節毎の純米吟醸酒(冬・春:【生酒】、夏:【生貯・1度火入】、秋:【ひやおろし直詰】)をお楽しみ下さい。数量限定。

  • スパークリング純米酒 たまゆら

    グラスに注ぐと繊細で涼しげな泡と香りが立ちのぼる瓶内発酵スパークリングの純米酒。甘酸っぱく、すっきりと爽やかで、刺激的な味わいは、世代や性別を問わずに召し上がっていただけます。アルコール度数8%。

  • 本菊泉

    いつの時代も多くのお客様に愛されてきた「本菊泉」。この酒に込める思いは普遍です。

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