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大塚酒造 杜氏

大塚 白実

Kiyomi Otsuka

動物が好き、子どもが好き
でも、酒に生きると決めた

  
大塚 白実

白実と書いてきよみと読む。13蔵メンバーから「きよみちゃん」と呼ばれ、かわいがられている。小さくて、この子に30㎏の米袋が持てるのか心配になるが、「大丈夫です」とまっすぐな瞳で見つめ返される。ああ、いらぬお世話でした、ごめんなさい。きっと、もう何度も同じようなことがあったのかもしれないと、反省する。

蔵に入って6年、杜氏としては2年、酒造りに携わってきた。「酒造りは面白いです。勉強することが山のようにあるけれど、生き物が相手だから」と言う。動物が大好きで、大学では動物行動学を学んでいた。研究のために山にこもって調査をしたこともある。いったんは就職したのだが、大学時代に子どもの自然体験活動に関わり、自然の中で幼児教育や子育て支援を行う「森のようちえん」に興味を持ち、幼児教育を学びたいと、地元の短大に通った。その卒業の頃に、当時の杜氏が75歳で、「教わるのなら、今しかない」と蔵に入ることを決めた。家業とはいえ蔵の仕事を始めてみると、できないこと、わからないことだらけで、自分のふがいなさに何度も泣いたという。

 
大塚 白実

それでも、迷った時に親切に教えてくれる13蔵の先輩杜氏や、目標になる女性杜氏の存在に支えられて、自分の目指す酒を造ることに邁進する。「小諸の水は硬水で、それを生かして米の旨味のある、きれいな酒を造りたいと考えています。ちょっとしたことを変えると、それがすぐ味に出る。どうやったらもっとおいしいお酒になるか、試しながらやっていきたいです」と、楽しそうだ。
小諸城址や、北国街道沿いに残る古いまちなみを歩きながら、文化を味わい歴史や自然を再発見するようなイベントなども頻繁に行われ、おもしろくなっている小諸の街。歴史を物語る大塚酒造の佇まいと、そこで醸される酒は、その魅力を一層高める存在となっていくだろう。「小諸で一軒しかない酒蔵なので、ここでしかできないことをやっていきたいです。『始めたときが、始め時』って、その通りだなと思っていて、これまでやってきたことにムダはないし、選んだからにはこの道を全うしたい。お酒のある席は楽しくあってほしいし、幸せな記憶の傍らに浅間嶽があったらうれしいですね」というきよみちゃん。小さなみんなの妹は、たくさんの愛情を受けてすくすくと成長しているのだ。

大塚酒造株式会社

384-0031 長野県小諸市大手2-1-24
TEL & FAX 0267-22-0002
http://www.asamadake.co.jp/

江戸末期創業。城下町・小諸で唯一の酒蔵。酒造りに適した寒さ厳しい小諸の風土で、長野県産の米と浅間山の伏流水で仕込んだ銘酒「浅間嶽」を醸している。明治時代には島崎藤村が小諸滞在時に綴った「千曲川旅情の歌」に「浅間嶽 にごり酒」がうたわれている。

  • 浅間嶽 純米吟醸

    やや辛口ながらもやわらかに広がる味。少量仕込みで丁寧に仕込んだ純米吟醸。長野県産ひとごこち使用。

  • 浅間嶽 純米酒

    じっくり熟成させた純米酒。ゆったりとお料理を味わいながらぬる燗で飲むのがおすすめ。長野県産美山錦使用。

  • 浅間嶽 純米生酒 献寿

    さわやかでフルーティーだが、コクのある旨口タイプの生酒。長野県産美山錦使用。

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